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アモンの大神殿


 エジプト古王国時代。一人のファラオがいた。
 若くして即位したファラオは、即位するとすぐに伝統的な神であるアモン=ラーの信仰を復活させ、トゥトアンクアメン(アモン神の生ける似姿)と改名した。

 アマルナからテーベへの遷都、大規模な治水工事と、若きファラオはその能力をぞんぶんにふるっていたが、ある日、王妃アンケセナーメンが病に倒れていしまう。最愛の人を失った若きファラオは、神話に伝えられている絶対の力を持つという謎の剣を追い求めるようになっていった。その果てに衰弱したファラオは、ついに帰らぬ人となり、巨大な神殿の中に葬られたのであった。

 後に、人々は彼をアモン=ラーになぞらえ、その神殿をアモンの大神殿と呼ぶようになる。

 それから幾千年……。
 アレクサンドロス大王がエジプトに遠征してきたときのことである。アモンの大神殿には一台の古い戦車が祀られていた。戦車は「ゴルディオスの結び目」と言われる複雑に絡み合った縄で結び付けられており、この結び目を解いたものが大陸の支配者になるという伝説が語り継がれていた。


 その伝説を耳にしたアレクサンドロス大王は腰の剣を振り上げ、一刀のもとに結び目を切断した。 大王は、運命とは伝説によって決まるものではなく、自らの手によって切り拓くものであると兵たちに宣言したのだ。

 以来、アモンの大神殿では、切り開かれるべき場所には、縄が備えられているという。