例外無く大西洋を航行する全ての船舶を恐怖に陥れた世紀の大海賊、キャプテン・セルバンテスとエイドリアン号。彼が二振りの邪剣ソウルエッジを手にしたことが全てのはじまりだった。
 邪剣に魅せられたセルバンテスは、自ら率いる海賊団の部下を惨殺、さらに拠点としていたスペインの港町の住民もその狂った刃の犠牲となった。そして、多くの魂を喰らい、一時的にその歪んだ欲望を満たしたソウルエッジと共に、かつて「黒い尻尾」亭とよばれた廃墟で長い休息に入った。新たな「邪剣の子」を生む準備のために……。
 それから二十余年、邪剣の噂は山を越え海を渡り世界中に形を変えて伝わった。ある国には救国の剣として、またある国には何にも勝る最強の武器として。そして運命に見いだされ、歴史に選ばれた者達は、それぞれの理由でソウルエッジを追った。
 その内、一部の幸運な、いや不幸にもソウルエッジに辿り着いた者は皆、凶刃に魂を貪り喰われるのだった。
 そんな運命の流れに逆らう者が現れた。鍛冶の神へパイストスの啓示を受けた聖戦士ソフィーティア。彼女はセルバンテスとの激闘の末、一方の剣を破壊することに成功したのである。
 しかし、破壊の際にその破片を身体中に浴びて重傷を負ってしまう。あたかも自分の一部を失ったかのように怒り狂うセルバンテスは、ソフィーティアにとどめを刺そうとするが、そこに現れた「闇の狩人」タキがそれを阻む。
 一本の剣を失ったことで均衡の崩れたセルバンテスと妖怪ハンターのタキ。壮絶を極めた二人の闘いはタキの勝利で決着がついた。
 ソウルエッジのかけらを手に入れ、目的を果たしたタキは、辛うじて息のあったソフィーティアを抱えてその場を去った。
 幼きダークサイド、ジークフリート。彼が仇討ちの剣を求めて港町を訪れたとき、そこには海賊の船長と思われる死体が一体倒れているだけであった。その手に一本の剣を見つけた彼は、それを手に取ろうと近づいてみた……。
 しかしその瞬間、その死体が地獄の業火に包まれながら立ち上がった。その化物の姿は、あたかも邪念怨念の類がセルバンテスの亡骸を借りて具現化したもののようだった。
 始まる死闘。少年の手には大きすぎるツヴァイハンダーがその狂気に染まった瞳に操られ、轟音と共に空を斬る。闘いが終ったとき、既に死体は燃え尽き、少年の自分の血で染まった手には根本から折れたツヴァイハンダーが握られていた。彼の瞳に映っていたのは、未だ業火の残り火を宿すソウルエッジであった……。
 宿主を失い、暴走寸前の状態のソウルエッジに導かれるように、やはり歪んだ精神の持ち主が手を伸ばす……。
 その夜、スペインの海岸で不思議な光景が目撃された。白い光が柱となって天を突き破り、雲の上で拡散した一瞬の美景の正体が、後に世界中で災いを引き起こす種「イヴィルスパーム」であったことを、目撃者たちは知る由もなかった。
 そして歴史は新しいページへと移る。全ては十六世紀のできごとである。

 

©NBGI

 ※このサイト内に掲載されているテキスト、画像などの無断転載は一切お断りします。